いぬこころ日記 犬との暮らし

【防災で大切なこと】防災グッズよりも・・・

まずお礼を言わせてください!

今回のセミナーにご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました

20名も集まっていただいたお陰様でゲームはとても盛り上がりました!

7/21(日)防災セミナーを開催しました。
講師はペット防災サポート協会理事長の三浦律子先生。
三浦先生は、実はトリミングサロンのオーナーさん。ですが、10年ほど前から防災の活動もされていて、実際に被災地にボランティアで何度も足を運んで、実際の現場を見てきているというとても素晴らしい活動をされている、エネルギー溢れている方なんです。

そんな三浦先生に依頼をして、今回は防災セミナーの中でも少し特殊な避難所HUGという避難所運営のシミュレーションゲームを行いました。
かなり知恵とコミュ力を要される大変なゲームだったのではないかと思うのですが、ゲームの進行中に講師の三浦先生に「あれ?この方達、このゲームって経験したことないですよね?初めてですよね?」と尋ねられました。

皆様のゲームに取り組む姿と進行具合が素晴らしかったそうで、本当に驚かれていました。
ただの一般の飼い主、ただのお客様には思えないとたいそう驚かれていて、「素晴らしいお客様たちですね。本当にすごいですよ!」と感動されていて、なんだか私も誇らしく嬉しくなりました。

今回のこのゲームは運営者として避難所を経験するというものだったので、「避難する側やのになんで運営者側なん?」と思う方も多かったかもしれません。普通の防災セミナーだと「避難グッズの作り方」とか「避難の仕方」とかどちらかというと日々の備えという印象が強いかもしれません。
ですが、人間というのは不思議なもので、それを学んでしまうと、知識を得ただけで満足するとか、備えを準備して満足してしまってそこから進まないことがとても多いんです。

だけど、実際に防災という視点で考えると、犬のしつけのために日々の習慣を変えていくとか、危機管理能力を高めておくとかそういったことの方がいざ何かが起こった時に役立ちます。

実際に避難所というのがどういったトラブルに見舞われるのかを体験すると、脳内の経験値が確実に上がりますので、今回のゲームを通して皆様の危機管理能力は格段に向上したはずです。

防災グッズは作っていても持って逃げれるとは限らないです。
このご時世では皆様が思っているよりも多くの支援物資がさっそうに届きます。
むしろ支援物資が届きすぎて避難所が混乱するということも起こるくらいです。
もしかすると物資には困らない可能性もあります。
「物資よりも実際に困るのはトイレや排泄物の処理だった」ということもゲームを体験した皆さんは体感なさったのではないでしょうか。

「ウンチが匂わない袋」や強力な防臭袋を防災グッズに入れておくと役立つかもしれませんね!

ゲームではいろいろなことを考えさせられたと思います。
そして、未解決の問題が頭の中を巡っていると思います。
それこそが、日々の習慣を変えていくきっかけになるのだと思います。
ここから、さらに防災の知識を詰め込んでいけば、確実に皆様の身になると思います。

災害対策のトレーニングや備えなどに関してはトレーニング教室や幼稚園の方でもトレーニングとして導入したり、ペット防災の勉強のアウトプットとして情報と知識をシェアしてしっかりと皆様にお伝えしていけたらいいなぁと思っています。

今回は避難所の運営者という立場でゲームを体験することで、避難者としての視点が大きく変わったのではないでしょうか。
視点が変わればも何かのトラブルに直面した時の問題解決能力も向上します。

例えばゲームで皆さんが苦戦していた問題として「ペットに水を与えると憤慨している人がいる」とか、「苦情がくる」などにどう対応するか、という問題。

ゲームの進行中は「こんなしょーもないクレームは放っておこう!」とか「何言ったって無駄やろう」なんてことが頭によぎってなかなか解決できなかったのではないでしょうか。

ゲーム終了後に先生から「クレームには当人同士で話し合わせず第三者を介入させる」というお話がありました。それを受けて、私が考えた対策はこうです。

「クレーム対応窓口(お困りごと相談窓口)を作る」

怒っている人というのはこちらの話は聞かないし、自分の話を聞いて欲しいので、話を聞いてあげるだけでも落ち着く人がいます。特に避難所なので、ストレスから普段は我慢できるような小さなことが気に障ってしまう人も増えるかもしれません。

怒っている人や変なクレームを立てる人は必ず一定数いて、そうゆう人が騒ぎ立てるとやっぱり周囲にとって精神衛生上良くないです。
誰かが話を聞いてあげることで解決することもあるかもしれません。
例えば心理カウンセラーやメンタルサポート士などの有志を募ってメンタルケアを入れていくなども方法のひとつかもしれないですね。

なんせ答えのないことなので、やってみなきゃわかりませんが、もし次にゲームをすることがあったら、この対策をすぐに作れるので、悩まなくて済みますね!でもそれは一度ゲームを体験しているからこそできることです。もしかすると実際の避難所でもこの知識が役に立つかもしれません。

このアイディアは私もゲーム進行中なら生まれなかったかもしれません。だけど、後から冷静によく考えたら、こんなのもありだよね。と気づいたりします。シミュレーションゲームの良いところは終わってからも学びに繋がり、考える機会になるところかもしれません。

本当に大切なのは問題解決能力。

避難所HUGは問題解決能力を確実に向上させる良い機会だったと思います。仮に予備知識がなくても、その場の状況を冷静に判断して問題に向き合う力はとても大切です。

今回のゲームではまず避難所HUGの人版を40分間行ってから、ペット版を40分間行うというものでしたが、ペット版に入った途端にゲームの進行がかなり遅くなりました。それだけペットの問題は解決することに時間がかかり、難しいということがわかります。

いぬこころのお客様は犬と一緒に生活をしている方がほとんどですが、避難所には猫も避難します。その他の小鳥やうさぎなどの小動物もいます。

そういったペットちゃんとも上手くやっていかなければいけないということを忘れてはいけません。犬のことだけ考えていたらトラブルに見舞われます。実際に、避難所HUGのペット版を経験した皆様なら、ペット同行避難にどれだけ多くの課題があるかを体感できたのではないかと思います。

避難所はホテルではないので、自分たちで生活を作っていく必要があるし、ペット同行避難では、「ペットのお世話は飼い主が責任を持って行う」のが大前提。
避難所に犬を連れて一緒に行くということは、皆様も一緒にペットが一緒に避難しやすい環境を作っていかなければいけません。
その時には今回のゲームのように犬の飼い主たちが協力して、率先して運営を手伝っていくことが大切なのではないでしょうか。
今回ご参加いただいた皆様は講師の先生からも「リーダーとしてふさわしい」とお墨付きをいただいた方ばかり。

きっと皆様なら大丈夫だと思います。

せっかく意識が高くて素敵なお客様がたくさん集まっているスタジオいぬこころ。何かがあった時には皆で助け合えたらいいですね!

HUGを開催して私個人的には観光旅行中に被害を受けるのが一番肩身が狭くて怖いな、と思いました。コミュニティーがあることの安心感というのは大きいのではないかと思います。防災の視点からも、これからの時代を生きていくにも「コミュニティー」というのがとても大切になります。皆で助け合ったり、高め合ったり、楽しめる。それは依存的ではなく普段は自立していて何かあった時には協力し合える。
そういった関係性や場所が、これからは本当に大切になってくると思っています。

スタジオいぬこころは犬を通して人と人が安心して繋がれる場所であって欲しい!

避難所のあり方は各被災地の事例を元に毎回少しずつ進化しています。それは経験から導き出した結果。
今回のセミナーをきっかけに皆様それぞれの防災への取り組みや考えが進化していたら幸いです。
私も今後はさらに防災の概念を日々の幼稚園やお店の運営に活かして行けたらいいなぁと思っています。

今回のゲーム中、私はゲームにはあまり介入せず各グループの人間観察をとても楽しませていただきました。

講師の先生がおっしゃるように、皆さん本当にしっかりと向き合う方ばかりで、各テーブルでリーダーシップをとってくださる方がいたことも素晴らしかったなぁと感動しています。

新人スタッフのみかちゃんは看護師の経験を生かして率先してゲームを進行している姿があって、「ああ、この子は自分で考えて動ける子なんやなぁ」と思ったら、あかりちゃんはまな板の魚みたいになって皆様に助けてもらっているのを見て、改めてお客様の暖かさを感じたり、皆様それぞれが役割を見つけて積極的に動いていく姿に本当に心が動かされました。

こんなにレベルの高い飼い主様たちに囲まれているということを体感して、私たちもより一層身が引き締まる思いでした。
これからも、皆様で助け合える場所を作れるように私も含めスタッフ一同精進して参ります。
何もないことに越したことはありませんが、何かあった際には皆様のお力添えをどうぞよろしくお願い申し上げます。

皆様、本当にご参加ありがとうございました!

Special Thanks
会場は1階の宮谷自動車様ショールームをお借りして、とても綺麗な空間で快適にセミナーを開催することができました。
宮谷自動車様、会場をご提供いただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

亀川紗希

Studio Inucocoro/代表 愛称vivi。犬育てアドバイザーとして犬の飼育について美容・健康・運動・食事など様々な指導を行い、幅広い知識と実践で培った経験によるアドバイスが支持されている。トリマーであり、ドッグトレーナーの指導係。愛犬はトイプードル5頭、ボーダーコリー1頭、猫2匹

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