いぬこころ日記 採用情報

Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~歴史とこれからの未来

これからトリマーになりたい!ドッグトレーナーになりたい!という人たちに、覚悟していただきたいことがあります。あなたがどんな想いで仕事に向き合うかによって、あなたの未来も、あなたが関わる犬たちの未来も大きく変わります。だから知っておいてください、これからきっとあなたが直面するペット業界の闇に・・・。

自己紹介

はじめまして、Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~代表の亀川です。お客様はからはvivi先生と親しまれています。どうしてvivi先生と呼ばれているかは最後まで読んでいただくとわかると思います。スタジオいぬこころは京都府南部の城陽市にある犬の幼稚園&トリミングサロンです。

ありがたいことにお店の経営は順調で、幼稚園は入園待ちが出るほどに成長しました。

だけど最初から、全てがうまくいっていたわけではありません。

今日は当店のコンセプトである「心育て」をテーマにStudio Inucocoro~スタジオいぬこころ~の「軌跡」と「想い」をご紹介をします。このお話は、当店が新人研修として1番目にお店について、知っていただくために必ずお話ししている内容です。少し長くなりますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。(採用試験にはこの内容に関する質問がでます。)

自分でお店をはじめるまで

私が犬に携わる仕事をはじめてから14年が経ちました。

短期大学の児童教育学科を卒業した私は、一度は人間の幼稚園に幼稚園教諭として就職しました。2年間働いた後、夢だったワーキングホリデーでオーストラリアに旅立ちました。帰国後は派遣OLとして半年間IT系のベンチャー企業に英文事務として働くことに・・・。この時私は自分のやりたいことがよくわからず、ただもがいているだけでした。

そんな私がトリマーを目指したのは、24歳になるほんの少し前の頃、1頭のトイプードル、PUFF(パフ)に出会ったことがきっかけでした。

その頃はまだ今のように可愛いふわふわのカットは雑誌で見れる程度。今のようにどのお店でもできるわけではありませんでした。パフをトリミングに出した時にも、なかなかオーダーがうまく伝わらず、帰ってくるたびにガッカリしていました。「こんなことなら、自分でトリミングをしよう!」と、思ったのがきっかけでこの業界に足を踏み入れました。

当時の私は、マルチーズとシーズーの違いすらわからないくらい無知で、「この子ってマルチーズでしたっけ?」なんて質問をしていました(笑)「これはまずい」と思って、初めの1ヶ月間は犬種図鑑と睨めっこをして、300犬種くらい暗記しました。今はもう半分も言えないかもしれません(笑)

当時はとにかく犬に関わることならアロマからホリスティックケア、獣医学など片っ端から勉強して、朝から夜寝るまでずっと「犬」に向き合っていました。

私は犬たちとの明るい未来を夢見てペット業界に足を踏み入れました。だけどそこにあったのは明るい未来ではなくて、荒れ果てた闇の世界でした。

犬たちが扱われる現場の衛生環境、犬たちの扱いや健康状態はとても劣悪でした。

犬の販売をしているペットサロンの裏側はニオイがきつくて、虫もたくさんいました。

シャンプーをする時のお湯の温度を変えようと思って、給湯器のリモコンの蓋を開けると、ゴキブリがシャーっと四方に走っていくんです。私は本当に虫が大大大、大っ嫌い!蚊が飛んでいるだけで鼻がむずむずするくらいなので、もう地獄の中に放り込まれたような心地でした。

私は家に帰るといつも玄関で服を脱ぎ、ハイター入りのバケツに直ぐに服をつけ込んで、そのままお風呂に直行していました。

繁殖用の犬たちは普段はケージの中で過ごしていて、順番に時々ケージから出してもらえます。繁殖能力のある子たちは結構手をかけてもらえますが、繁殖能力がなくなった子たちや、繁殖に使われない子たちの待遇はもちろん悪いです。病気になってもまともに治療をしてもらうことはできません。

あなたは目の前で餓死した子を見たことありますか?

これは私が見習いとして働いていた時にお店で飼育されていた犬、京ちゃんの話です。

ある時から京ちゃんは脱腸するようになりました。排便するごとに脱腸してしまった京ちゃん。
「また脱腸したら面倒やねんから、ご飯増やさんといて」店長は私にそう言いました。
そのまま1週間が過ぎて、京ちゃんはガリガリに痩せていきました。
初めはこっそりご飯をあげようとしたのですが、なんせ犬たちの世話やシャンプーで忙しくて、ご飯の時間以外にこっそりあげている暇はありません。見つかれば店長に怒られるので、当時まだ20代だった私はうまくこっそり立ち回ることができずにいました。

そのうち京ちゃんは自分でご飯を食べる気力もないくらい衰弱していきました。
店長が1日中出かけていたある日、
「待っててな、後で京ちゃんの食べれそうなご飯もっといっぱい買ってきてあげるしな、もうちょっと待っててな」
私は仕事を終わらせたらこっそりと流動食を買いに行こうと決めました。

だけど、その日の夕方、仕事が終わる直前にふと見ると、京ちゃんは動かなくなっていました。

なんで、もっと早くに買いに行かへんかったんやろ。

「ごめんなぁ」と言いながら、私は動かなくなった京ちゃんの体を撫でました。
涙がポロポロ溢れてきました。もう15年も前のことですが、あの時の後悔は今でも忘れられません。

「ここにいる子たちはみんな全然まだマシ」先輩たちからそう聞かされていました。
もっともっと酷い環境で死んでいく子たちなんて山ほどいる・・・それが皆さんがよく知っているブリーダー崩壊のあの惨状です。

心に、思う事は沢山ありました。
それでもこの業界から足を引かずに頑張ったのは、「いつかこんな世界を絶対に変えたい」そう強く思ったからです。

だけど、思ったよりもこの世界の闇は深かったのです。残酷なのは業者側だけでありません。

「引越し先でペットの飼育ができないから」という理由で保健所に連れて行かれる子がいたり、病気なのにしっかりとケアしてもらえない子もたくさんいました。皮膚がただれて真っ赤、耳ダニで耳が腫れていたり、病気で毛が抜けていたり・・・毛玉ができてノミだらけになってくる犬もいました。

そういった子は、どうせ病院に連れていってもらえないので薬浴と言って農薬の入った桶に肩までつけました。すると、胴体についていたノミが犬の顔の方にザザーっと大量に上がってきます。それを取って駆除していきました。可哀想なことに、薬浴をした犬の皮膚は真っ赤かになっていました。(今ではそんなやり方はしません)

みんな、”一般家庭で飼育されている子たち”でした。

残念ながら、ペットショップでは未だに「衝動買い」をさせるための「戦略」の元、仔犬が販売されています。私たちの仕事はペットショップで犬を飼う人がいるから成り立つものでもありますが、同時にペットショップの裏側を知っておくことも大切です。

ペットショップの裏側では母犬や父犬だけでなく、ペットショップに並ぶまでに死んでしまう仔犬もたくさんいます。そういった仔犬が毎年2万頭近くいるのをご存知でしょうか?
病気で死んでいく子、適切にケアされず死んでいく子、多くの仔犬が流通過程で死んでいます。
殺処分されている犬の頭数より圧倒的に多い数です。

仔犬の気質や性格は両親からの遺伝や、母体のストレス状況が大きく影響します。
不衛生で狭く自由のない環境の中で、健康な仔犬は生まれません。

一方で、犬たちの健康を考えて真剣にブリーディングに取り組む、素晴らしいブリーダーさんたちもいます。知識と熱意を持って頑張っている人もいます。仔犬の育てやすさは格段に違います。私は、犬を飼うならできればそういった人たちから犬を迎えて欲しいと思います。

麻薬は買う人が悪いのか、売る人が悪いのか・・・
結論ですが、これはニワトリと卵の問題で永遠に決着はつきません。

もし、今これを読んでいるあなたが、ほんの少しでも心を動かされて、今の自分に何かできることは何か?と考えたなら、少なくとも「犬に苦痛を与える側に回らないこと」です。

私は愛犬たちを安心して預けれるような場所を作りたくて、
自分の愛犬も安心してトリミングできる場所が欲しくて、
トリミングサロンを開業することにしました。

「Dog Salon ViVi」今のお店の最も基盤となるお店です。viviが始まった、第一歩でした。

小さなトリミングサロンがOPEN

2011年2月14日、今のお店の基盤となる小さなトリミングサロンDog Salon ViViがオープンしました。

実家の敷地内に建てた、たった5畳半の飾り気ないグレーのプレハブ小屋。質素なりに訪れた飼い主さんや犬たちが少しでもリラックスできる空間を目指して、自分なりの工夫を凝らし、得意のDIYをして、営業をはじめました。

資金がなかったので、宣伝に費用をかけることもできません。もちろん経営はど素人。経営がそう簡単にいくわけがありません。やっと来た!と思った犬は6ヶ月~1年に1回しかトリミングに出してもらっていないシーズーやトイプードル。毛玉だらけでくる子たちがあまりに多くて、あの場所と何も変わらない現実を突きつけられました。

初月の売り上げは7万円。
何よりも苦悩したのは「狂犬病ワクチンすらしていない飼い主が多かったこと」です。
当時はかかってくる電話の半数以上をお断りしている状況でした。

「そんなことをしたらお客さんいなくなる」「城陽では無理」周りでサロンをしている人たちからはそう言われました。今では当たり前のことですが、13年前はワクチンや狂犬病をしていることが必須のサロンなんて近隣にはありませんでした。

何度も心が折れそうになりましたが、「犬たちが安心して過ごせる場所を作る」「飼い主さんが安心して預けられる場所を作る」と思うと、どんなにお客さんが来なくても信念を曲げずに頑張ろうと踏みとどまりました。

「城陽から世の中を変えていこう!自分がここで切り開けばいい」

私はブログで犬育てに関する色々な情報を発信することにしました。その時のブログネームがviviでした。

お店のホームページも作りました。今は安くて便利なホームページ作成アプリがたくさんありますが、13年前はそんな便利なものはありません。業者に依頼すれば100万~200万円しました。お金はなかったけど時間だけは山ほどあったので、勉強して自分でホームページを作ることにしました。IT系ベンチャー企業でOLをした経験と英語が得意だったことが幸いしました。色々な経験はどこかで一つに繋がるものです。

とはいえ、そんなに簡単にできるものではありません。何度もトライ&エラーを繰り返して、1年ほど経つと、そこそこ見栄えのするホームページが完成しました。

ブログは毎日書きました。トリミングへの熱意や犬の育て方、健康管理の必要性、来てくださったお客様のビフォーアフターなどを載せていきました。

だけど服を買うお金も稼げなかったので、夜は出稼ぎでアルバイトに行くことを決めました。せっかくなのでホステスを経験してみることにしました。

実は私、男性が苦手でした。(人間の)幼稚園で先生をしていた頃もお父さんがお迎えに来ると緊張して何を話してよいか分からなくなってしまうくらいだったんです。お店をはじめたら、男性が犬を連れてくることだってあります。ちょっとした世間話でも気軽にできるようになったらいいなぁと修行のつもりで挑戦しました。時給は良いし、コミュ力は身につくし、男性耐性もできるなんで、一石3鳥!

はじめて出勤した日は先輩のお姉さんたちが綺麗すぎて「場違いなところに来てしまった」と青ざめました。それでも、頑張ればなんとかなるものです。半年ほど経った頃には月間売り上げトップ3にランクインしたくらい馴染んでいました(笑)ありがたいことに男性ともペラペラおしゃべりできるようになりました。

ホステスのバイトを始めてから1年がたった頃、ようやくトリミングサロンにも私の理想のお客さまが集まりはじめました。私は夜のバイトを辞めてお店に専念することにしました。

お客様が変わっていった理由

10年以上も前の城陽市というのは、トイプードルのカットは3ヶ月に1回、よくて2ヶ月に1回という人が多かったです。

色んなお客さんがいました。
「トイプードルは毛が抜けへんっていうから飼ったのにこんなにお金がかかるなんて聞いてへんわ!」
「チワワはカットがいらんしお金かからんって聞いたのに、毛抜けるし結局お金かかるやん」
トリミング料金が高いと悪態をつく人もいました。
当時のトリミング料金はトイプードルで5500円でした。今の私のカットの半値以下です。

当時の私は今より数段とんがってましたので、ブチギレです(笑)

「ペットショップの店員なんて売りたいんやから都合のいいことしか言わないに決まってるでしょ。それでホイホイ信じて買うんが悪いです。私は犬飼う前に本買って、トイプードルの飼育に毎月どれぐらいお金がかかるか計算して、毎月最低でも1万5千円はかかるのわかった上で飼いましたよ。私より何十年も長生きしてはる人が、なんでできなかったんですか?本屋に行ったらいくらでも本売ってますよね」

半年以上トリミングを放置されて、大きな毛玉がいくつも皮膚に張り付いている子もたくさんいました。
そんな子のトリミングはとても大変です。時間はかかるし、怪我のリスクもある。神経衰弱のような作業です。

「悪意のない虐待ってあるんですけどね・・・」
もっと他に言い方があるでしょうけど、若気の至りです(笑)

それから毎月きてくださるようになったお客様もいます。
その次は来なかった人もいます。

トリミングをしていると犬たちの病気に気がつくこともありました。
そんな時は必ず、飼い主さんに病院で検査してもらうように伝えていました。
だけど、中には明らかに様子がおかしくて、何度も病院で検査をして欲しいとお願いしても、「お金がかかるから・・・」と言って、連れて行かない人もいました。

もどかしい気持ちと、歯がゆい思いと、複雑な心境で、葛藤しながら、私はブログを書き続けました。
徐々にブログを読んでからきてくださる方が増えました。
1ヶ月に1回のトリミングをしてくれる人が増えました。
すごく嬉しかったのは今まで半年に1回で毛玉だらけだった飼い主さんが月に1回きちんと来てくださるようになったことでした。

ブログを読んで、「私にトリミングをしてもらいたいから」とワクチンや狂犬病を打ってきてくださる方も増えました。
「カットが可愛かったから」
「色々と教えてもらいたいから」
「安心して預けられるから」

入りくんだ住宅街の奥にひっそりある、質素で小さなサロンには、そんなお客様が集まってきました。
気がつけば、「vivi先生~」とお客様から呼ばれるようになっていました。

犬は「飼い主の心の闇の請負者」

私がトリマーとして多くの犬たちを見てきた中で、とても気になったのは犬たちの情緒問題です。

情緒や精神状態が不安定で心が落ち着かない状態の犬たちが多かったことです。分離不安が強くて人や飼い主さんへの依存度が極度に高い子や、環境の変化に極端に弱い子もいました。犬が飼い主に依存し、飼い主が犬に依存する共依存状態が目立ちました。

噛みつきの酷い子もたくさんいました。
ちょうどその頃は社会全体として急に「キレる」子どもが増え始めて社会問題になっていた頃で、なんだか犬の世界もよく似ているなぁと思いました。もちろん個体の性格差や気質もあると思いますが、「経験不足」や「過保護/過干渉」が原因なのは子どもも犬も同じなのではないかとこの頃から思い始めました。

トリミングに来ても誰かに体を触っていてもらわないと常に落ち着かなくて、ずっとピーピー泣き喚く子がいました。その子は家庭でずっと誰かの膝の上で抱っこされているのだそうです。
その結果、その子は「誰かの膝の上にいないと心が保てない」ようになってしまっていたのです。
それでも、お母さんは自分の心を満たすために抱っこをやめられないのです。

ある犬をホテルで預かった時のことです。その子は自分の足の毛をかじってむしってしまう癖があり、四肢と尻尾は毛がなくなって皮膚が丸見えでした。だけどお預かり中はとても機嫌良く過ごしていて、ご飯もペロリと完食していました。ホテルで預かっている間中、一度も脚も尻尾もかじりませんでした。

2~3時間おきにお店の電話がなりました。
「元気に過ごしてますよ」と伝えても、そろそろダメになってきたのではないか、と思うようです。
最後の夜の電話で、「ご飯食べましたか?」と聞かれたので、「大喜びで完食されましたよ~」とお伝えしました。私はお母さんはきっと喜ぶだろうと思っていましたが、
「はぁ・・・そうですか・・・」なんだか残念そうなお母さんのため息が聞こえてきました。
「なんか、私がいなくても平気なんや・・・私がいないのに楽しむなんて・・・」
お迎えに来たお母さんはガッカリした様子で虚に目を落としてそう言いました。

私は背筋がゾッとしました。
このお母さんは、その子に「お母さんがいないとダメな子」でいて欲しかったんですね。
そうでないとお母さんは自分自身の存在意義がなくなっちゃうんです。
その子がお家で足の毛をむしる時は必ずお母さんが家に一緒にいる時だったそうです。

なんだか、恐ろしい人の心の闇に触れた気持ちになりました。
人が心の病に侵されている現代社会。病んだ心の人間に育てられた犬は同じように心を蝕まれているのです。子は親の鏡と言いますが、犬も飼い主の鏡なのです。

この頃から私は、海外の動物行動学者や心理学者が書いた犬の本をたくさん読むようになりました。

教育で人も犬も変わる

Dog Salon ViViにはトリミングが嫌いで暴れてしまったり噛み付く子もたくさん来ました。

私は噛み付く子も断らなかったので、他のお店で断られてどうしようもなくなってしまった犬も多くなりました。「ここでなら何とかしてもらえるのではないか」とワラにもすがる思いで来られた方もいます。

問題なくトリミングができるようにトレーニングしていったり、触り方を変えるだけで変わる子もいました。そんな子たちと向き合っていると次第に犬の扱い方にも慣れてきました。

私は愛犬との生活が長くなり、気がつけば5頭のトイプードルの飼い主になっていました。
犬のこともよくわかるようになりました。

色々な情報を発信しながら、たくさん勉強を続けながらトリミングをやっているうちに、健康や美容だけでなく日々の生活やしつけの相談も受けるようになりました。
ただお客さまの役に立てればいいなぁという思いだけで、勉強してきたので、喜んでアドバイスをしました。トリミングに来たお客さまとは30分でも1時間でも話をしていました。もちろん無料です。

経験や知識から「こうしてみたら?」とアドバイスしていると、「改善できた」と喜んでもらえるようになりました。ドッグトレーナーさんにお願いしても改善しなかったということが意外な方法で解決してしまうこともありました。
もっと嬉しかったのは、トリミングに来て話をする度に飼い主さんの気持ちが前向きになって、犬育てに対してのマインドがポジティブになり、飼い主さんも犬も一緒に少しずつ成長していく姿が見れたことです。

飼い主さんが成長すると自然と犬も成長します。

社会化の重要性、犬を正しく理解することの重要性、人と犬のコミュニケーションを潤滑にすることの大切さを身にしみて感じました。人と犬の心を繋ぐと奇跡が起こりはじめるのです。

Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~のベースはここに在ります。

プレハブ小屋からの脱却
保育室/ホテル部屋

2015年12月18日、移転リニューアルオープン。

Dog Salon ViViはStudio Inucocoro ~スタジオいぬこころ~ として生まれ変わりました。
雑貨屋さんみたいにオシャレで、訪れる飼い主さんが何度でも足を運びたくなる癒される空間にしたい。
写真「スタジオ」みたいにワンちゃんの可愛い写真を残して飼い主さんに喜んでもらいたい。
「犬」「心」の成長を見守れる場所にしたい。

Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~にはそんな想いが込められています。

犬の幼稚園サービスもはじまりました。
私が愛犬たちを迎えた時に、愛犬が仔犬だった頃に「こんな場所が、こんなサービスがあったらよかったなぁ」と思っていたことを、できる限りたくさん詰め込みました。元々は人間の幼稚園で先生をしていたのでドッグトレーナー目線にはない幼児教育の概念を入れ込むことができました。

初めはドッグトレーナーの経験者に入ってもらって、トレーニングを一緒に考えてもらったり教えてもらったり、色々とやっていました。
同時に私も大学の聴講に通って「学習心理学」や「行動分析学」などの心理学を学び直したりもしました。
「もっとこうやったら早く解決するんじゃないか」とか「こうした方が早く覚えるんじゃないか」とか色々なことが見えるようになり、気がつけば自分がドッグトレーナーを指導する立場になっていました。

同じ犬の幼稚園や保育園の中でも「ドッグトレーナー目線」「トリマー目線」「幼児教育目線」というのはほとんどないと思うので、唯一無二の形になったと自負しています。
幼児教育とドッグトレーニングの融合が起きて、化学反応が起こったのです。

心を育てるとはどういうことか

「心を育てる」というと、最近は「犬の感情を優先して・・・」「犬を尊重して・・・」「褒めて育てる」という印象を持たれます。

しかしStudio Inuccooro~スタジオいぬこころ~の「心育て」とは「生きる強さを育てること」です。

世の中は理不尽なことだらけです。道を歩いていたら急に奇声を上げる人がいるかもしれないし、いつ何時自然災害に巻き込まれるかもしれません。コロナのように急に大きく環境が変わることもあります。
そんな時、「生きる強さ」があるのとないのとで、見えるセカイは大きく変わります。

例えば、地震が起こって避難をしなければいけくなっても、避難所での犬の立場はとても弱く狭いです。
もしかすると室内には一緒に入れないかもしれません。暑い真夏や寒い真冬にテントを張って生活しなければいけないかもしれません。そんな時に、不謹慎でもキャンプ気分でテント生活を楽しめるくらいの強さを、私は愛犬たちにも幼稚園のワンコたちにも持っていて欲しいと思うのです。

もし、家が崩れても瓦礫の隙間で怯えるのではなく、瓦礫の隙間を這い上がって地上に出てきて欲しい。
もし、飼い主の私が死んでも、次の場所で次の飼い主さんと笑って楽しく生きて欲しい。
それくらい、強く生きて欲しい。

そのために必要なのは「レジリエンス」逆境を乗り越える力。
Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~ではこのレジリエンス耐性の向上を何よりも重視しています。

レジリエンスを高めるために必要なのは、小さな逆境を乗り越える経験です。
日常の小さな理不尽をいくつも経験し、そこから這い上がる経験を繰り返して自信を身につけることです。

世の中はなかなか自分の思い通りに動きません。理不尽でも時には自分が我慢しなきゃいけないこともあります。忍耐力は小さな我慢の経験の積み重ねで育ちます。我慢ができないと大きなチャンスを逃すことだってあります。

嫌なことを避けていても心は育ちません。
得意なことだけやっていても成長しません。

怖いと思っていたものが怖くないと気づいた時、
できないと思っていたことができるようになった時、
嫌だと思っていたものが思い込みだと気がついた時、
心は大きく成長します。

そんな経験をたくさん積ませる、成長の機会を与える。
「心を育てる」とはそういうことです。

オヤツがもらえるからやるんじゃない、
褒めてもらえるからやるんじゃない、

楽しいからやる!
面白いからやる!
好きだからやる!

犬たちだって、そんな心を持っています!
だからこそ、オヤツは多用はしません。

豊かな心は豊かな経験から生まれます。
豊かな心の経験とは、嬉しいことも辛いことも、悲しいことも、楽しいことも、腹の立つことも色々な経験をすることです。もちろんなるべくなら嫌なことは避けたいものですが、人生犬生では生きていたら嫌なことも起こります。だけど嫌なことも大切な成長の糧となります。そこで、それを糧にできるかトラウマにするかは飼い主次第、トレーナー次第でもあるのです。

「豊かな経験で、強くたくましく、しなやかで自立した心を育てる」それがStudio Inucocoroのトレーニング指針です。

幼稚園の犬たちは十犬十色。
叱られないとやらない子もいれば、褒めた方ができる子もいます。それが多様性です。
その子それぞれに合わせるというのは、その子のポテンシャルを最大限引き出すために、最も良い方法を考えることです。

叱って育てるか褒めて育てるかの低脳な議論をするつもりはありません。
望ましい行動を教えることだけに着目はしていません。
時には優しく、時には厳しく、心の成長を促します。

奇跡を起こす犬の幼稚園

幼稚園を始めてから色々なことが大きく変わり始めました。

犬たちの表情が明るくなり、活気が出てきました。
いつの間にかお店に来ることを嫌がる子がいなくなりました。
犬がトリミングテーブルや撮影のセットにも喜んで乗ってくれます。
トリミングもスムーズに終わるようになりました。
犬たちが毎回幼稚園に来ることを楽しみに待ち侘びている。

本当の意味での「犬たちのセカンドホーム」が完成しました。

飼い主さんの意識も変わりました。
「預けるのが心配」から「幼稚園にいたら安心」になり、
「連れていくのが可哀相」から「連れていかなきゃ可哀想」になりました。

私は犬の幼稚園という環境は犬たちに本当に必要な場所であるということは自信を持ってお伝えできます。それは、いつも目をキラキラさせて当園してきてくれる犬たちの姿があるからです。

犬育てをしていると飼い主はたくさんのことに悩みます。
しつけに健康、犬とのコミュニケーション、ペットロス。

運良くStudio Inucocoroにたどり着いた人は、犬育ての悩みを通して「自分自身と深く向き合う」ことになります。自分の心と向き合うことで、犬との向き合い方も関係性も犬の性格まで大きく変わってきます。

私は犬と人が出会うのは「お互いの魂の成長のため」ではないかと思うのです。
Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~は人と犬がお互いに成長しあえる場所でありたい。そして、成長を促し見守るのがスタッフの役目です。同時に私たちスタッフもお客様と犬と一緒に成長していくのです。

「人と犬が魂レベルで成長できる場所」
それがStudio Inucocoro~スタジオいぬこころ~です。

ホップ、ステップ、ジャンプの2回目の移転!

2023年1月4日、Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~は大きな一歩を踏み出しました。
室内ドッグラン付きの広い幼稚園を作ることができました。
今まで以上に犬達は活気付いていて、幼稚園の仲間も増えました。

入園の問い合わせも多く、これからも1頭でも多くの犬や飼い主さんの支えになりたいと考えています。

まだまだ犬育てで悩んでいる人はたくさんいます。
そのために、今後は次世代に羽ばたく人材を育てたいと思っています。

「人と犬が共に幸せに生きる世界を創る」ことを目標として、Studio Inucocoro~スタジオいぬこころ~で、一緒に前に進んでくれる仲間を募集しています。

もしこの想いに共感して同じ方向を見て歩んでくれる人がいたらぜひ一緒に働きましょう。
スタッフの一員として、「心育て」に参加してみませんか?

今後のチャレンジ
  • 人と犬の絆を深めるためのイベント企画
  • 飼い主が安心して犬たちを育てることのできるコミュニティー作り
  • 若手を育てるための2号店~シャンプー専門店 犬想い~出店
  • 犬育て相談室運営
  • 犬育てのプロを育てる一般社団法人設立

人材不足もあり、現在トリミングは幼稚園を使っていただいているわんちゃんのみに限定しています。

昨年1月の移転と同時に実はトリミングのみをご利用いただいていたお客様全てをお断りしなければいけなくなりました。近隣のサロンさんを紹介しましたが、色々な事情で飼い主様からまたいぬこころでやって欲しいという声がたくさん上がっています。

経済的な理由で幼稚園を仕方なく断念された方達もいるため、一度ご縁をいただいたワンちゃんたちを最後までケアできる場所を残したいという思いから、シャンプー専門店の出店を考えています。

当店はシャンプーにもこだわりを持っており、経験と知識から様々な皮膚コンディションに合わせたシャンプー剤の選び方や調整方法を考えてきました。「犬の皮膚に優しくて、かつ技術の未熟な人でもしっかりと毛が伸びて乾きやすいシャンプー剤」をオリジナルで開発したり、早く乾く洗い方など駆使して、時短を目指し犬たちへの負担も減らせるようにしています。

シャンプー専門店ではワンちゃんのリラクゼーションを目的として、健康管理のサポートを行います。抜け毛の軽減や皮膚トラブルの緩和など皮膚皮毛のスペシャリストとして快適な暮らしをサポートするお店となります。

犬のシャンプーをスキンケアとして的確に行うことや、手早く行うには知識と技術が必要になります。知識を少し学んでいただいて、手先が器用な人なら誰でも習得できるように指導をしますので、未経験者でも問題ありません。細かいことに注意したり気がついたり、集中力に自信がある方、手先の器用な方に向いているお仕事です。

幼稚園も引き続き活性化します。飼い主さんと犬たちへのサポート強化、遠足や運動会、オフ会などを通して飼い主さん同士の交流の場を作りたいと思っています。楽しいイベントを企画して盛り上げる役割を楽しんでください。

Inucocoroが目指す人材育成とは
  • 物事の本質を見抜く力のある人を育てる
  • 自分をよく知り、自分の能力を最大限発揮できる人を育てる
  • 応用力や順応性のある人を育てる
  • 新しいことへのチャレンジを楽しめる人材を育てる

犬育てと同じで、どこに行っても柔軟に対応できる人材を育てたいと考えています。
一つのやり方にこだわったり、一つのやり方だけしかできないでは、広い世の中では通用しません。

TPOに合わせて動くためには「なぜ、このお店ではこのやり方を選んでいるのか」を理解して、そのやり方をすぐに受け入れられるような柔軟な人材を育てたいと思います。

例えば私は「犬育て」では「生きる強さを育てたい」と言いましたが、それは幼稚園の「コンセプト」です。
これから予定しているシャンプー専門店は幼稚園とは違い、「犬のリラクゼーション」がコンセプトです。「犬に優しく接する」「犬の気持ちを尊重する」ことが重視されます。シャンプー専門店と幼稚園では使い分けが必要です。

「犬育てにおいて叱るか褒めるかの低脳な議論をするつもりはない」と言ったのは、必要性があるかないか、TPOにあっているかどうかという問題だからです。

大切なのは「目的」を理解してそこに向かって「どう動くか」を考えることです。
それができる人材を採用し、育てます。

応募概要

犬が好き、なんとなく楽しそう、動機はなんでもOKです。
ただし、命を扱う仕事です。関わったワンちゃんや飼い主さんの犬生犬生にも影響を与えるお仕事です。
「嫌だ」「無理だ」と中途半端に投げ出したり「できる努力をしない人」には不向きな仕事です。
責任感を持って臨んでください!

どの職種も「犬育てアドバイザー」の研修を受けて、犬との暮らしの相談員を兼任していただきます。

「コミュニケーション能力」「接客力」が必須です。
笑顔のない人を笑顔にできるくらい明るくて元気な人、今までのアルバイトやパートでの接客経験を活かしてください。

グルーマー【主に犬のシャンプーを専門に行う仕事】未経験OK!

犬のシャンプーをスキンケアとして的確に行うことや、手早く行うには知識と技術が必要になります。知識を少し学んでいただいて、手先が器用な人なら誰でも習得できるように指導をしますので、未経験者でも問題ありません。

パート/アルバイト
時給1009円~

向いている人

  • 細かいことに注意したり気がつく
  • 手先が器用

トリマー【犬のシャンプーからカットまでトータルサポートする仕事】経験者のみ

グルーマーとして活躍しながら、当店でカットを学びトリマーとしてデビューすることも可能です!

パート/アルバイト/正社員
時給1200円~

ドッグトレーナー【犬のトレーニングやしつけなどを行う仕事】未経験OK!

はじめにトレーニングの研修を受けていただきます。後は幼稚園で仕事をする中で犬の扱い方や接し方をその都度教えていくので未経験者でもご応募可能です。経験をしていてもトレーニングは人や場所によってやり方が変わるため、変に経験や自信があるとプライドが邪魔になります。「何も知識はないけど学びたい!」という未経験者や「今までやっていたトレーニングとは違うやり方を学びたい」という経験者の方が向いています!

パート/契約社員/正社員
時給1009円~

向いている人

  • 犬が好き
  • ダメなことはダメと言えて、いいことはしっかり褒めることができる
  • 手先が器用でテキパキと行動できる人
  • 物事を分析したり考えたり、本質を見抜くのが得意
  • 声が大きい

エデュケーター【グルーマー兼ドッグトレーナー】未経験者OK!

どちらも適性があれば当店にて学びながら、活躍できます。

パート/契約社員/正社員
時給1100円~スペシャリストⅡ【トリマー兼ドッグトレーナー】

スペシャリスト【トリマー兼ドッグトレーナー】

全てができるようになった人はお給料がぐーんと上がります。担当する頭数によりますが、月給30万円以上~50万円くらいまで稼げます。
ぜひ、目指してください!

パート/正社員
時給2000円~

応募方法

LINEまたはメールにて、履歴書と採用試験問題を送付ください。
すでに履歴書を送付いただいている場合は改めの送信は不要です。

採用試験問題への回答は、wordファイルをダウンロードして書き込んでの送付でも構いませんし、コピペで回答していただいても構いません。

【採用試験問題】

  1. 「犬に苦痛を与える側に回らない」ためにあなたは何を考えましたか?
  2. Studio Inucocoro〜スタジオいぬこころ〜のテーマは何ですか?
  3. 当店であなたはどんな活躍がしたいですか?またどんなことで貢献できそうですか?
  4. あなたの未来と目標を教えてください。
  5. どの募集職種を希望しますか?
  6. 希望の働き方、希望日数と時間帯の制限などがあれば教えてください。
  7. 当店で働きたいと思った理由をお聞かせください。
  8. あなたの挫折経験とそれを乗り越えた方法を教えてください。
友だち追加

メール:shop@inucocoro.com
※迷惑メールに振り分けられることが多いため、お手数ですが、メール送信後はお電話ください。0774-53-0805

  • この記事を書いた人

亀川紗希

Studio Inucocoro/代表 愛称vivi。犬育てアドバイザーとして犬の飼育について美容・健康・運動・食事など様々な指導を行い、幅広い知識と実践で培った経験によるアドバイスが支持されている。トリマーであり、ドッグトレーナーの指導係。愛犬はトイプードル5頭、ボーダーコリー1頭、猫2匹

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